今日の社説

2018/01/23 00:34

再び強い冬型 今度こそ除雪を迅速、的確に

 寒波が迫り、またも大雪になる恐れが出てきた。23日から再び冬型の気圧配置が強まり、大荒れの天気になるという。北陸では11日から13日の大雪で混乱を経験したばかりである。国や自治体、中日本高速道路は除雪が後手に回ったことを教訓にして備えを強めているだろうか。

 気象台は今回の寒波が前回の大雪をもたらした寒波より強い可能性もあるとみている。再び混乱を起こさないために、関係機関は今度こそ迅速に大雪に対応してもらいたい。通行に支障を来している箇所を的確に除雪できるように、連携して地域や道路の状況を把握する必要がある。

 11日からの大雪では除雪が遅れた生活道路で踏み固められた雪が凍り、危険な状態になった。生活道路の除雪が遅れると、消防、救急活動に影響が出る恐れもある。

 寒波到来を前に金沢市は各町会に対し、除雪基準を確認して大雪になった場合は除雪を求めるように呼び掛けた。要請が重なっても対応が遅れることのないように市は態勢を整えてほしい。

 前回の大雪では住民の助け合いに心強い思いをした人も少なくないだろう。除雪に地域の協力は欠かせないが、安全には注意したい。

 生活道路や歩道の除雪が遅れたことを受けて、県は29日に市町の担当者を集めて除雪体制を検証する。結果を受けた見直しは今回の寒波に間に合わないが、県と市町の連携強化は会議にかかわらず急いでほしい。混乱を防ぐためには、国を含めて道路管理者が垣根を越えた協力関係を深める必要があるのではないか。

 幹線道路の除雪体制も強化を要する。前回の大雪では、北陸自動車道や国道8号が石川と富山の県境付近で通行できなくなった。上り坂での立ち往生がきっかけで渋滞が激しくならないように、大雪のときは大型車にチェーンの装着を促すとともに、積雪が増える前に除雪を進めてほしい。

 高齢化が進む地域では除雪の負担が重くのしかかる。暖冬が続いて雪に慣れていないドライバーも増えた。関係機関がこうした変化を把握して臨機応変に対応しなければ、大雪のたびに混乱が繰り返されることになりかねない。

施政方針演説 国難克服へ確かな道筋を

 安倍晋三首相は施政方針演説で、働き方改革、人づくり革命、生産性革命など看板政策の実現に強い決意を示した。これらの政策でデフレ脱却を完全なものにし、少子高齢化を乗り越えて豊かな社会を維持していけるかどうか。政策の具体的な制度設計と国会審議を通し、首相が「国難」と呼ぶ課題克服へ確かな道筋を示してもらいたい。

 安倍首相は、明治150年の歴史にならい「新たな国創りの時」と訴えた。身分を問わず人材を登用した明治の国づくりと、「1億総活躍社会」という政権目標を重ね合わせてのことであろう。

 革命、改革という表現の多用は、いささか大仰な感じもするが、老若男女がそれぞれの能力を発揮して働き続けることができる「働き方改革」や、社会保障制度を全世代型に転換して、子育てや介護など現役世代が抱える不安の解消をめざす「人づくり革命」などは、安倍首相が呼びかける憲法改正とともに、まさに新しい国づくりと言ってもよい。

 主に中小企業の生産性向上と賃上げを支援する「生産性革命」はデフレ完全脱却や、少子高齢化の壁を破り、供給側の改革を通じて潜在成長率を高めるという日本経済の課題克服に欠かせない。

 ただ、人づくり革命の柱である教育無償化などの詳細な制度設計はこれからである。野党も対案があれば、積極的に提案してほしい。反対のための反対ではなく、与野党の建設的な国会審議で政策の質を高めていく取り組みを、あらためて求めておきたい。

 安倍首相の外交関係の演説で注目されるのは、大局的観点から中国との関係改善を図る意欲をこれまで以上に強くにじませたことである。米国やオーストラリア、インドなどと共に「インド太平洋」を航行の自由が保証された公共財とする決意を強調する一方、そうした大きな方向の下、中国の「一帯一路」構想によるインフラ整備にも協力する考えを示した。中国の海洋覇権行動に対抗しながら、日中関係を「新たな段階」へ押し上げることができるかどうか、安倍外交の真価が問われる。