きょうのコラム『時鐘』

2017/11/23 01:16

 きょう23日(にち)は勤労感謝(きんろうかんしゃ)の日(ひ)。戦前(せんぜん)までは「新嘗祭(にいなめさい)」として知(し)られた日(ひ)だ。旧暦(きゅうれき)の11月(がつ)は冬至(とうじ)にも近(ちか)くて「一陽来復(いちようらいふく)」の願(ねが)いを込(こ)めた日でもあった

「新嘗祭」は秋(あき)の収穫(しゅうかく)を神(かみ)に感謝(かんしゃ)する祭(まつ)りで、数(かず)ある宮中祭事(きゅうちゅうさいじ)の中(なか)でも最重要視(さいじゅうようし)されている。天皇(てんのう)が代替(だいが)わりした年(とし)の新嘗祭は「大嘗祭(だいじょうさい)」と特別(とくべつ)に呼(よ)ばれていることでも分(わ)かる。天皇と神(かみ)が同(おな)じ部屋(へや)にこもって食事(しょくじ)をする形(かたち)が大切(たいせつ)にされてきた

能登(のと)の冬(ふゆ)の行事(ぎょうじ)「あえのこと」も、神と人間(にんげん)が同(おな)じ空間(くうかん)で食事をする古代(こだい)の姿(すがた)を今(いま)に伝(つた)えている。民俗(みんぞく)行事が宮中祭事と共通(きょうつう)する点(てん)が重要(じゅうよう)で「新嘗祭」は神事(しんじ)ではあるが、瑞穂(みずほ)の国(くに)・日本(にほん)の貴重(きちょう)な民俗習慣(しゅうかん)とみることもできる

天皇陛下退位(へいかたいい)の日が2案(あん)に絞(しぼ)られた。再来年(さらいねん)4月末(がつまつ)の案(あん)が有力(ゆうりょく)だそうだが、政府(せいふ)と宮内庁(くないちょう)の掛(か)け引(ひ)きがありそうでまだ結論(けつろん)は出(で)ていない。しかし、新元号(しんげんごう)での「大嘗祭」が2年後(ねんご)のきょう行(おこな)われることはほぼ見(み)えて来(き)た

天皇制(せい)は政治(せいじ)の表舞台(おもてぶたい)や宮中の奥深(おくふか)い所(ところ)だけでなくて、地方(ちほう)の素朴(そぼく)な伝統(でんとう)とともに継承(けいしょう)されてきた。そして明日(あす)はどうなるのか。考(かんが)えるのにふさわしい祝日(しゅくじつ)になった。