今日の社説

2020/09/20 00:35

新型コロナ対策 「指定感染症」の見直しを

 菅政権に真っ先に取り組んでほしいのは、新型コロナウイルスを「指定感染症」の第2類相当扱いから外す方向で、見直すことだ。季節性インフルエンザと同じレベルに変更すれば、多数を占める軽症や無症状の人は宿泊施設や自宅での待機を勧めることが可能になり、医療機関の病床数や保健所の業務に余裕ができる。

 これからインフルエンザが急増する冬にかけて、医療機関の受け入れ能力がひっ迫する懸念が強まっている。新型コロナに関しては、死者数が急増するよほどの事態が起きぬ限り、重症者に医療資源を集中させる方向へ明確にかじを切るべきだ。

 インフルエンザの流行がピークを迎える冬場は、昨年1月の場合で1日当たり54人が亡くなった。これに対し、新型コロナは、4~5月段階で1日当たりの死者数が14人、8月では1日当たり9人にとどまっている。そろそろ危険性に見合った感染症分類に引き下げても良いのではないか。

 国際政治学者の三浦瑠麗氏が本紙「北風抄」で指摘したように、PCR検査を大幅に増やした結果、無症状の陽性者が数多くあぶり出されるようになった。指定感染症の第2類相当に位置付けられた関係で、症状のない人も含めて全て隔離しなければならない。

 こんな対応を続けていたら、いずれ医療体制が持たなくなる。医療機関や自治体が常時、病床やホテルを確保し続けるのは負担が重く、新型コロナ以外の病気で重症化したり、死亡する人が大幅に増えかねない。保健所にかかる負担も増すばかりであり、地域住民の健康や衛生を支える機能が低下してしまうだろう。

 新型コロナは当初、未知のウイルスとして最大級の警戒が必要だったが、今では膨大な量の知見が集まり、指定感染症の1~3類に指定されているエボラ出血熱やペスト、コレラほどの危険性がないことが分かってきた。

 新型コロナの終息が見通せない以上、いや応なしに共存していく道を歩まねばならない。死者数が急増するような異常事態が起きぬ限り、特別扱いしすぎる風潮をあらため、社会経済活動の正常化を加速させていきたい。

秋の交通安全運動 事故件数減も死亡率上昇

 秋の全国交通安全運動が21日始まる。行楽シーズンの連休を利用しドライブに繰り出す人も多いだろう。春のゴールデンウイークは新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全国に緊急事態宣言が発出中で外出控えが広がり、各地の交通量は激減した。

 今はまだコロナの収束が見通せないとはいえ、自粛ムードは薄れ、猛暑も過ぎ去り出掛けやすい気候になった。気分転換がてら行楽に向かう人は春夏に比べ格段に増えるのでないか。ハンドルを握る運転者は普段以上に気を引き締め、安全運転の意識を高めたい。

 富山県の交通事故死者数は17日時点で前年同期より2人少ない20人だったが、18日夜に魚津で発生した事故で犠牲者が1人でた。事故件数が約20%減少している分、死亡率は前年より上昇しており、要注意だ。昨年の日本自動車連盟(JAF)の調査では、横断歩道での車の一時停止率は富山が5・3%で全国ワースト4位だった。今年、横断歩行の安全運動に力を入れたところ、違反車の摘発が1~6月で1564件に上り、前年に比べ倍増した。安全意識の緩みが透けてみえるデータであり、運動を推進し、汚名返上に努めたい。

 石川県は17日時点で交通事故死者数が昨年1年間の31人を既に超えて33人に上る。県警は秋の安全運動を始点に100日作戦と銘打ち、巡回を強化する。全国では交通死亡事故が約4%減っている。石川の際立つ多発化の流れを早く断ち切るためにもドライバーは交通ルールを順守してほしい。

 上半期、全国の交通事故状況で顕著だったのはバイクによる単独死亡事故の増加だ。同様の傾向は石川でもみられた。コロナ禍で交通量が減ったことによる速度超過が要因との指摘もある。バイク愛好者に人気が高い北陸の景勝地でも注意喚起する必要がある。

 警察庁が過去5年間の交通死亡事故を分析した結果、1年間のうち10~12月に発生件数が増えていることが分かった。日没前後1時間の薄暮時間帯での発生割合もこの3カ月間が高かったという。秋のドライブは春夏以上に安全運転の自覚が求められることになる。