きょうのコラム『時鐘』

2020/02/27 02:07

 行(い)くたびに「迷子(まいご)」になる場所(ばしょ)がある。東京駅(とうきょうえき)だ。いわゆる「駅ナカ」が広(ひろ)すぎる

改札口(かいさつぐち)を通(とお)ってホームにたどり着(つ)くまでに商業(しょうぎょう)ゾーンがある。それを「駅ナカ」と呼(よ)んでいる。改札口のまたその先(さき)に改札があることも。あれ、自分(じぶん)は今(いま)どこにいる?。東京駅を知(し)らないわけでもないが、すっかり「お上(のぼ)りさん」の気分(きぶん)である

先日(せんじつ)の発表(はっぴょう)では、その東京駅の「駅ナカ」がさらに広くなり、五輪前(ごりんまえ)の6月中旬(がつちゅうじゅん)にオープンするという。いつ行っても工事中(こうじちゅう)だった駅が落(お)ち着くのは結構(けっこう)だが、規模(きぼ)の拡大(かくだい)はもう限界(げんかい)にきているのでないか。今でさえあの雑踏(ざっとう)ぶりだ。万(まん)が一(いち)、災害時(さいがいじ)にはどうなるのか心配(しんぱい)する

人口(じんこう)の首都圏集中(しゅとけんしゅうちゅう)はゆがみを生(う)む。都市(とし)と同(おな)じように鉄道(てつどう)の駅にも適正規模(てきせいきぼ)というものがある。しかし、収益面(しゅうえきめん)は無視(むし)できない。「駅ナカ」の言葉(ことば)も「駅ビル全体(ぜんたい)の商業区域(しょうぎょうくいき)」を意味(いみ)するように拡大解釈(かくだいかいしゃく)される時代(じだい)になった

来月(らいげつ)、生まれ変(か)わる富山駅(とやまえき)。夏(なつ)には駅西側(えきにしがわ)に広がる金沢駅(かなざわえき)もその一(ひと)つだ。地方中核駅(ちほうちゅうかくえき)として、利用者(りようしゃ)に分(わ)かりやすく、ほどよい旅(たび)の気分が味(あじ)わえる「新(しん)・駅ナカ」にしてほしい。