きょうのコラム『時鐘』

2019/07/18 00:39

 力士(りきし)のけがが増(ふ)えて「休場場所(きゅうじょうばしょ)」と皮肉(ひにく)られたのは、去年(きょねん)の九(きゅう)州(しゅう)場所だったはずだが、今場所(こんばしょ)もそんな雲行(くもゆ)きになった

大関(おおぜき)4人(にん)そろって「討(う)ち死(じ)に」。昭和以降初(しょうわいこうはつ)の異常事(いじょうじ)態(たい)を報(ほう)じられたが、横(よこ)綱(づな)休場でも、さほど驚(おどろ)かなくなった。が、角(かっ)界(かい)にもいよいよ「働(はたら)き方(かた)改革(かいかく)」の波(なみ)が来(き)たのかもしれない。あたら才(さい)能(のう)を不慮(ふりょ)の負傷(ふしょう)でしぼませるのは、ファンにとっても無念極(むねんきわ)まりない

けがを押(お)して出(しゅつ)場(じょう)したのが災(わざわ)いし、短(たん)命(めい)に終(お)わった人気抜群(にんきばつぐん)の横綱がいた。けがと上(じょう)手(ず)に付(つ)き合(あ)って休場、出場を繰(く)り返(かえ)し、優(ゆう)勝(しょう)回数(かいすう)を伸(の)ばす賢(かしこ)い横綱もいる。好対照(こうたいしょう)の2人の姿(すがた)や「休場場所」の不名誉続(ふめいよつづ)きが、けが防(ぼう)止対策待(したいさくま)ったなしを告(つ)げるようである

年(ねん)六(ろく)場所プラス巡業(じゅんぎょう)という興行(こうぎょう)が過密(かみつ)なのか。度(ど)を越(こ)す肥満(ひまん)力士の続(ぞく)出(しゅつ)が問題(もんだい)なのか。門外(もんがい)漢(かん)が口(くち)を挟(はさ)む筋合(すじあ)いではない。北陸(ほくりく)のファンには、待(ま)ち望(のぞ)んだ熱戦(ねっせん)が続く連日(れんじつ)の土俵(どひょう)である。それだけに、こうも休場力士が続けば、応援(おうえん)の仕方(しかた)も変(か)わってくる

白星(しろぼし)を願(ねが)う声(こえ)よりも先(さき)に、つい口が動(うご)く。「頼(たの)む、けがだけはしてくれるな」。そんな声援(せいえん)、果(は)たしてありがたいか。