きょうのコラム『時鐘』

2020/04/06 00:35

 新(しん)1年生(ねんせい)が選(えら)ぶ将(しょう)来(らい)就(つ)きたい職業(しょくぎょう)の調査(ちょうさ)という記事(きじ)が載(の)っていた。新年度恒例(しんねんどこうれい)のツミのない話(はなし)、と読(よ)み飛(と)ばそうとして、思(おも)い直(なお)した

人気(にんき)ベスト10の表(ひょう)を見(み)る。探(さが)したのは「医師(いし)」で、男(おとこ)の子(こ)の8位(い)、女(おんな)の子は7位にランク入(い)り。女子(じょし)の3位に「看護師(かんごし)」も。いま世界(せかい)で一番多忙(いちばんたぼう)な人(ひと)たちである。男子は「消防(しょうぼう)・レスキュー隊(たい)」、女子は「保育士(ほいくし)」も憧(あこが)れ。激務(げきむ)が続(つづ)く人(ひと)を大(おお)いに励(はげ)ます子(こ)どもからの通信簿(つうしんぼ)である。令和(れいわ)の新入生(しんにゅうせい)はエラい、と喜(よろこ)び、早合点(はやがてん)に気付(きづ)いた

ランドセル・メーカー恒例の調査は、期間(きかん)が昨年暮(さくねんく)れまで、とある。コロナ騒(さわ)ぎを知(し)ったいまは、人気の度合(どあ)いも変(か)わってこよう。肝心(かんじん)なのは来(らい)年(ねん)。もっとも、給料(きゅうりょう)や休暇(きゅうか)の多寡(たか)、パワハラなどは眼中(がんちゅう)にない。ひたすら夢(ゆめ)の大(おお)きさを競(きそ)う調査である。困難(こんなん)にひるまぬ姿(すがた)に、「かっこいい」と拍手(はくしゅ)を送(おく)ってきた子どもたちの目(め)を信(しん)じたい

政治家(せいじか)や官僚(かんりょう)、ついでに、わがマスコミも人気上位(にんきじょうい)にはない。得意(とくい)?の口(くち)八(はっ)丁(ちょう)だけでは、憧れてもらえぬ時代(じだい)のようである

見(み)たいような、見たくないような来年の「通信簿」を、ドキドキしながら待(ま)つことにする。