雨の中、ホタルイカの定置網を引く漁師=1日午前4時、滑川市沖

ホタルイカ、不安な船出 解禁初日、水揚げ過去最少

2018/03/02 01:50

 富山湾の春の風物詩、ホタルイカ漁が1日、滑川市沖などで解禁された。滑川漁港の初日の水揚げは2008年以降最も少ない6キロとなった。富山県水産研究所の漁況予想では、3~5月の気温が高いため漁期が短くなり、総漁獲量は平年の6割にとどまる恐れがある。漁師たちが不安を募らせる一方で、予約が始まった「ほたるいか海上観光」は8年ぶりの2隻運航に問い合わせが殺到し、観光関係者の期待が高まった。

 

 滑川春網定置漁業組合のの水橋一仁理事(56)は初日の漁を終え、「雨の影響で水揚げが少なかった。ホタルイカを待っている人は多く、今後の大漁を願っている」と話した。

 

 滑川漁港では1日午前3時半ごろから、滑川春網定置漁業組合の6隻が沖合1~2キロの漁場に向かい、4カ統の定置網を起こし、午前5時過ぎに港に戻った。

 

 漁師が定置網を引き上げると、夜明け前の真っ黒な海面に、ホタルイカが放つ青白い光がゆらめいたが、漁獲量は今ひとつ。昨年の漁初日の8・4キロに2キロ以上及ばない6キロの水揚げで、1キロ当たり1万5500円の高値で取引された。

 

 県水産研究所は1日、今年のホタルイカの漁況予想を発表し、総漁獲量は1100~1200トンと、平年の1855トンを下回ると見込んだ。

 

 研究所によると、1月から2月中旬までの総漁獲量は0・1トンと平年の0・7トンの7分の1となった。2月下旬に実施したトロール船による調査では、ホタルイカがおらず、今年の来遊は少ないと分析した。

 

 研究所は、ホタルイカの生息しやすい海水温は11~13度で、海水温が高くなる時期が早い年は漁期が短くなる傾向にあると指摘する。

 

 気象庁の発表では、北陸地方の3~5月の平均気温が平年並みか高くなるとされており、研究所は、海水温が早い時期にホタルイカの適温を超えるとみて、漁期が短くなると予想する。ホタルイカ漁は例年、3月中旬から4月末にかけ最盛期を迎え、6月ごろまで行われている。

 

 滑川春網定置漁業組合の池田文也組合長は不漁の予想に「残念な困る予測だ。定置網なので、ほかの場所に捕りに行くわけにはいかず、たくさん揚がるのを願うだけだ」と顔を曇らせた。

 

 一方、21日から始まるほたるいか海上観光の予約受け付けを1日から始めた第3セクター「ウェーブ滑川」には、予約に関する問い合わせの電話が絶え間なく鳴っている。小林昌樹常務は「8年ぶりの2隻態勢で実施することもあり、期待の高さを感じる」と声を弾ませた。漁期短縮の予想についても「かき入れ時の大型連休中に、漁が終わったことは過去にないので影響はないと思う」と意に介さなかった。