利長の闘病生活を伝える前田利長書状=高岡市立博物館

前田利長の闘病伝える書状確認 高岡市立博物館で27日初公開

2019/07/04 01:58

 高岡市立博物館は3日までに、加賀藩2代藩主で高岡開町の祖前田利長の闘病生活を伝える利長の書状を55年ぶりに確認したと発表した。高岡市の郷土史家が所蔵していたが、所在が分からなくなっていた。書状には「腫れ物が和らいだ」「薬が効かない」という内容が記され、利長や加賀藩前田家の医療態勢を研究する上で貴重な史料となる。市立博物館で27日に開幕する特別展で初公開する。

 

 書状は高岡市の郷土史家飛見丈繁(ひみたけしげ)が所蔵し、歴史研究家木倉豊信(きくらとよのぶ)が1964(昭和39)年、郷土史研究会の機関誌「越中史壇」で発表した。その後、飛見の死去などに伴い、行方が分からなくなった。古文書を収集している富山市の個人が購入し、博物館に連絡した。

 

 利長書状は5通あり、利長が金沢から高岡に移った翌年の1610(慶長15)年、病気に伴う腫れ物によって健康を害してから、亡くなる14年までに書かれたとみられる。5通は後世に一つの巻物に仕立てられた。

 

 内容はいずれも、高岡の医師である薬師三右衛門(くすし三ゑもん)に関係する。「三右衛門が献上した薬を付けて腫れ物がいったん和らいだ。(褒美に着物の)小袖を与える」「投薬治療は今後も続けよ」「穴が深く空いているところに膿(うみ)がたまり、薬が全く効かない。膿を吸い出す薬があれば付けたい」などと記されている。

 

 利長の正室永姫に触れた書状もあり、永姫が利長に寄り添って生活していたことも読み取れるという。

 

 市立博物館特別展「高岡開町410年記念 前田利長書状展」では、この書状を含め36点を10月14日まで展示する。仁ケ竹亮介学芸員は「加賀藩の家臣と領民を守った優れたリーダー利長の生涯に理解を深めてほしい」と話した。