絵図を見る天池さん(右から2人目)=小矢部市役所

越中、加賀、能登の大型絵図 小矢部で発見 江戸後期、今秋に複製公開

2020/03/28 01:30

 江戸後期の越中、加賀、能登の地名や寺社などを記した大型絵図が小矢部市内で見つかり、27日に市文化財に指定された。詳細な記述と描写が特徴で、富山、石川両県の歴史地理を考察する上で貴重な資料と評価された。市教委は新年度、2分の1に縮小した複製を作成し、市民図書館で今秋にも公開する。

 

 指定されたのは、郷土史家で加賀藩士の富田景周(とだかげちか)(1746~1828年)が文政年間に編んだ歴史書「越登賀(えつとが)三州志」のうち、越中、加賀、能登3カ国の村名を詳述した「圖譜(ずふ)村籍」に付属していた絵図。「越中国輿地(よち)」(大幅=縦209センチ、横155センチ、小幅=縦209センチ、横75センチ)と、「加賀国輿地」(縦263・5センチ、横151センチ)、「能登国輿地」(縦295・5センチ、横124センチ)の計4幅がある。

 

 地名や寺社名に加え、小矢部川や手取川の支流も克明に描かれ、質の高い紙や絵の具を使用していることから原本の可能性が高い。

 

 越中、加賀、能登3カ国にまたがる三国山は小矢部市内に位置し、絵図にも記載されている。市文化財保護審査委員会の埴生雅章会長は「小矢部の文化財にふさわしく、保存や発信に努めたい」と話した。

 

 絵図は昨年1月、小矢部市埴生の天池實さん(93)宅の蔵から見つかった。市教委が今年5月、天池さんから絵図の寄託を受け、小矢部ふるさと歴史館で保管していた。

 

 市役所で27日、野澤敏夫教育長が天池さんに対し、文化財の指定書を交付した。市指定文化財は48件となる。天池さんは「蔵の隅から屏風(びょうぶ)と一緒に出てきた。夢のようで、こんなに素晴らしい資料とは思わなかった」と話した。