岩瀬浜駅に着いた路面電車。降りる乗客はいない=富山市内

路面電車の利用者4割に 南北接続1カ月、「富大から富山駅まで自分一人」と驚き

2020/04/22 01:32

 富山市の路面電車南北接続が華々しく開業してから21日で1カ月を迎えた。ただ、新型コロナウイルス感染拡大に伴う臨時休校や外出自粛の影響で、富山駅北側の終着点・岩瀬浜駅に入る電車のほとんどは乗客ゼロ。一日の乗客者数も通常約1万5千人だが、約6千人の4割にとどまる。「無人電車は悲しいね」と運転士は嘆き、コロナ禍は「富山市100年の夢」にも水を差している。

 

 富山駅の路面電車ホームで乗客を案内する富山地方鉄道によると、新型コロナによる乗客の減少は平日、祝日、朝晩に限ったものではなくなってきた。

 

 例年は新入生や新社会人、4月に全線開通する立山黒部アルペンルートの利用客を案内するが、現在はほとんどいない。鉄軌道部の中田和希さん(25)は「周辺施設もほとんど休業してしまった。もっと盛り上がるはずだったのに」と残念がる。

 

 利用者もあまりの乗客の少なさに目を見張る。富大医学部4年の小川裕之さん(23)は「富大から富山駅まで自分一人だけだった」と驚く。富山いずみ高3年の大西楽さん(17)は「南北接続直後に乗車した時とは風景が違う」と目を丸くした。

 

 岩瀬浜駅でも下車する人は少なく、無人の列車で乗り入れ、そのまま富山駅方向に折り返す電車がある。運転士の神島孝之さん(54)は「ここ最近、日中はいつもこんな状態。乗り降りはほとんどない」とぼやいた。

 

 路面電車が南北接続した3月21日の総客数は約2万人で、ダイヤが乱れるほどの混雑ぶりだった。富山地鉄の担当者は「このご時世、乗客が減るのは仕方ない。元の活気ある駅を取り戻すため、1日も早い感染収束を願っている」と話した。