西園寺が林に宛てた書状=高岡市立博物館

林忠正宛て西園寺書状を入手 高岡市立博物館、来月11日から展示

2020/06/16 01:40

 元首相で最後の元老と呼ばれた西園寺公望(さいおんじきんもち)が、明治期に西洋の近代絵画を日本に紹介した美術商の林忠正(高岡市出身)に宛てた書状を、高岡市立博物館が入手した。同館によると、パリに住んでいた林にドイツ留学に向かう学生の案内を依頼した紹介状で、当時の政局も記されている。同館は両者の親密さを示す貴重な史料としている。

 

 4月に東京で開かれた古書オークション「明治古典会」で購入した。縦18センチ、横84センチで、巻物の状態で保管されていた。封筒も添付されており、林が受け取ったことを示すはんこが押されている。

 

 同館によると、書状は1898(明治31)年11月に書かれた。西園寺は前年にパリで虫垂炎を患い、林とその兄弟の手厚い看護を受けており、書状には「順次回復しており、安心してほしい」との内容が記されている。

 

 当時、国内で短命な政権が続いていたことにも触れられており、追伸部分には林が送ったフランスの新聞と雑誌が届いたとの報告もあった。同館の仁ケ竹亮介副主幹学芸員は「プライベートでも親交が深かった」と指摘する。

 

 同館は7月11日から常設展で書状を展示する。仁ケ竹副主幹学芸員は「林が芸術関係だけでなく、政治家とも人脈をつくっていたことを知ってほしい」と話した。