聖地巡礼が相次ぐ滅鬼のバス停=富山市八尾町滅鬼

聖地「滅鬼」に巡礼続々 富山・八尾の集落 「鬼滅の刃」で注目

2020/11/25 01:22

 映画が大ヒット中の「鬼滅の刃」の「聖地」として、富山市八尾町にある滅(めっ)鬼(き)集落が注目を集めている。たまたま「鬼滅」を逆さにした地名であることの面白さがSNS(会員制交流サイト)などを通じて広まり、ファンが地名の書かれたバス停や橋を巡っている。売店では鬼に関連した商品が売れ、住民は「滅鬼の名が広まるのはうれしい」とブームを歓迎している。

 

 鬼滅の刃は鬼に家族を殺された少年竈門炭治郎(かまどたんじろう)が鬼と化した妹禰豆子(ねずこ)を人間に戻すために戦う物語。「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の累計興行収入は259億円を越え、国内歴代興収ランキングで3位にランクインし、若者世代を中心に人気が爆発している。

 

 山あいに田んぼが広がる滅鬼集落は、広さ約1千平方メートルで55軒200人が暮らす。小中学校が1キロ圏内にあり、富山空港まで車で10分の立地の良さから近年は転入者が増えている。

 

 「まさか滅鬼がこんな形で広まるとは」。滅鬼区長の坪坂啓治さん(65)は驚きを隠せない。地名は江戸時代に森林に住み着いていた山賊を武士が退治したことが由来とされる。「由来が原作と似ているし、ファンも喜んでいるんじゃないかな」と笑顔を見せる。

 

 集落では橋や公民館、バス停などに「滅鬼」の文字が記され、愛好家が次々と訪れてシャッターを切っている。富山市安住町の久保田博巳さん(67)は信号機に書かれた「滅鬼」の文字と剱岳の両方が収まるように写真を撮った。年賀状の題材にするつもりで「剱は刃も連想するし、面白いと思った」と笑顔を見せた。

 

 滅鬼交差点近くの神通川水辺プラザ自然ふれあい学習館の売店は10月に鬼関連商品を集めたコーナーを設け、鬼滅グッズとともに販売を始めた。滅鬼の地図も手作りし、地名が書かれた場所を紹介している。

 

 禰豆子のバッジを着けた店員の坂口秋雄さん(70)は「『鬼フライ』というせんべいが週末に大人気だった」と喜ぶ。「より多くの人が訪れれば地域活性化につながる。ぜひ足を運んでほしい」と話した。