除雪が完了した軌道を走る富山市内環状線=13日午後1時半、富山市大手町

路面電車、ようやく動く 富山の環状線、万葉線

2021/01/14 01:03

 記録的な大雪で運休となっていた富山県内の路面電車の復旧がようやく進み始めた。13日、富山市内電車「環状線」の除雪が完了し、5日ぶりに運行を再開。高岡、射水市を結ぶ「万葉線」も4日ぶりに一部区間で再開し、早期の全面運行を目指す。住民はでこぼこの悪路に渋滞が重なる道路状況の中、「市民の足」の復活に胸をなで下ろした。

 

 富山市内電車の環状線は大雪のため、8日の始発から運転を見合わせた。市内電車を運行する富山地方鉄道(富山市)が除雪作業を進め、13日も早朝から社員が軌道の雪をスコップで取り除いた。レールの点検と車両のテスト走行を行い、安全を確認し、午後0時1分に運行を再開した。

 

 富山市北新町の会社員小川知美さん(40)は「富山大和まで歩いて買い物に来ることが多いが、帰りは荷物が多いので、路面電車が動いていると助かる」と話した。同市向新庄町のパート従業員三鍋裕子さん(48)は「昨日スーパーまで車を出してみたが、道幅が狭くて怖かった。電車で出掛けると、いい気晴らしになる」と笑顔を見せた。

 

 市内電車の富山港線富山-岩瀬浜駅と南富山駅前―富山駅間はすでに運転を再開したが、富山駅―富山大学前間の運転再開はめどが立っていない。富山地方鉄道の担当者は「降り積もった雪で、道幅が狭くなっている。軌道上の除雪だけでなく、道路の雪や車の通行状況も考慮する必要がある」としている。

 

 9日の始発から全面運休していた万葉線は13日午後4時7分に米島口―六渡(ろくどう)寺(じ)間(3・6キロ)、その40分後に高岡駅―六渡寺間(8・0キロ)で再開にこぎつけた。14日は残る六渡寺―越ノ潟間で除雪を進め、16日からの全面運行を目指す。

 

 高岡市定塚の岩根幸子さん(45)は夫婦でイオン高岡店に買い物に行くといい「よく利用するので運休中は不便だった」と話した。

 

 「除雪しても除雪しても軌道内に雪がたまり、時間がかかった」。万葉線株式会社の岡田尚久運輸部長は疲労の色をにじませた。短時間で大量に降った雪が軌道上で氷のように踏み固められ、再開が大幅に遅れた。

 

 同社は軌道12・8キロに除雪車3台、トラック3台を投入し、24時間体制で作業を実施。雪をトラックで運ぶ際、渋滞が頻発したことも復旧遅れの一因になったという。今後、同社は復旧作業の遅れの原因を検証して体制の見直しを図る。