ひみ寒ぶり、水揚げ最少ペース 基準未満のブリも減少傾向 - ホッとニュース | 富山新聞社

水揚げされた「ひみ寒ぶり」=2日、氷見市の氷見魚市場

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ひみ寒ぶり、水揚げ最少ペース 基準未満のブリも減少傾向

2017/12/28 02:16

 富山湾の冬の味覚を代表する「ひみ寒ぶり」の水揚げ本数が27日現在4316本にとどまり、過去最少ペースとなっている。今シーズンからひみ寒ぶりの認定基準を6キロ以上から7キロ以上に引き上げたことが要因の一つとみられるものの、基準に満たないブリも水揚げが減少傾向にある。漁業関係者は「宣言がなかった15年以来の不漁。売り上げもかなり厳しい状況」と表情を曇らせる。

 

 氷見漁協によると、ひみ寒ぶり宣言が出されて以降の12月中の水揚げ本数は、2016年が1万6815本、14年が5426本、13年が4万1204本だった。

 

 同漁協が11年に「ひみ寒ぶり」を商標登録して以降、12月の1日当たりの水揚げ本数が最も多かったのは12年の1358本だった。今年は2日に宣言が出されたものの、1日あたりの本数は196本にとどまり、ブリ全体の水揚げ本数も低調に推移している。

 

 富山県水産研究所によると、ブリは春に南西諸島付近の東シナ海で産卵し、夏になると一部の個体が北海道方面に移動する。冬になると水温が低くなるため日本海を南下して、東シナ海に戻る習性がある。

 

 今シーズンに入り、新潟県の両津湾では、10月上旬から12月中旬に水揚げされたブリの本数は重さ7キロ以上が前年の約4倍となる5万8497本と豊漁となっている。4キロ以上7キロ未満も約3・6倍の8472本となっている。京都沖でも例年より漁獲量が増加傾向にあるという。

 

 同研究所によると、今季は日本海の海水温が例年より低く、まとまったブリの個体が富山湾を南下する条件はそろっているという。それだけに、担当者は「不漁の原因は現時点で分からない」と首をかしげる。同研究所では新潟県や京都府などと情報交換し、不漁の理由を探りたいとしている。

 

 氷見漁協の担当者は、今年は新潟沖の巻網漁で、500トンを越える水揚げがあったとし「富山湾に入ってくる分が先に捕られてしまったようだ」と悔しさをにじませた。

 

 不漁の影響で寒ブリの価格は上昇基調にあり、寒ブリ料理を提供している氷見市内の民宿や鮮魚店の経営者は頭を痛めている。

 

 氷見市の民宿経営者は「寒ブリを目当てに来る客は多く、仕入れ値が上がっても提供価格を急には上げられない。利益を圧縮するしかない」と打ち明ける。鮮魚店の経営者も「12月初めと比べると、1キロ当たりの卸値は5倍以上に跳ね上がる日もある」と話した。

 

 一方、寒ブリの人気は依然として根強く、氷見市のひみ番屋街の鮮魚店では27日も11万円の寒ブリ(8・9キロ)が売れた。店舗関係者は「ブランド力になんとか支えられている感じだが、価格の高止まりが続けば、客が離れてしまうかもしれない」と危惧する。