打球音が高いバットほどボールの飛距離が出ることを証明した生活工学研究所の浦上主任(左)とロンウッドの池田代表=南砺市の富山県産業技術研究開発センター生活工学研究所

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「打球音高いと飛ぶ」を証明 バットのまち福光のロンウッドと県生活工学研究所

2019/01/01 02:39

 「打球音が高いバットほど、ボールをより遠くへ飛ばすことができる」という野球の通説が科学的に正しいことを、富山県産業技術研究開発センター生活工学研究所(南砺市)と「バットのまち福光」にある木製バット製造「ロンウッド」(同)が、31日までの共同研究で証明した。研究グループは今後、実験データを基にバットに最適の木材を探し、より飛距離の出る「夢のホームランバット」の制作を目指す。

 

 プロをはじめ野球選手の間では、ボールを打ったときの「カキーン」の音が高ければ高いほど、ボールを遠くに飛ばせると語られていたが、科学的な根拠はなかった。

 

 それでも高音の出るバットを求める選手が多く、バットを作る職人は、バットをたたいた間隔で音の高低を判別していた。バットの音の高低にこだわりのあるプロ野球選手の中には「クレーム」を付ける選手もいたという。

 

 生活工学研究所とロンウッドは約20年前から木製バットに関する研究を続けている。2010年には木材より安価な竹を使用し、木材ヒッコリーと組み合わせた練習用バットを開発した。「打球音が高いほど飛ぶ」という通説の研究は昨年10月から始めた。

 

 研究は、生活工学研究所が国内で初めて導入したバット反発性装置などを用いて行われた。同一種の木材から作った同じ形のバット10本を床の上に落下させ、騒音計で周波数のピークを調べ、それぞれのバットの音の高さを測定した。

 

 さらにバット反発性装置を使用し、120キロのボールをバットに当て、跳ね返りの速度やバットの重さなどから、ボールの飛距離の長短を示す反発係数を導き出した。

 

 その結果、打球音が高い高周波のバットほど反発係数が高くなることが判明。「打球音が高いほど飛ぶ」という通説が正しかったことが裏付けられた。

 

 ロンウッドは、研究成果を基に、良質な木材が取れる産地や、バットに適した木の部分を分析するほか、現在の木製バットの主流となっているメープル材に代わる木材を探る。

 

 同社の池田真一代表は「プロ野球選手のこだわりに合ったバットを提供することができる」と力を込める。生活工学研究所の浦上晃主任は「研究成果を積み重ね、富山のスポーツ産業の発展につなげたい」と話した。