根元から折れたご神木を見つめる櫻栄住職=小矢部市八和町の日蓮宗本行寺

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前田利秀の菩提寺、再興 台風被害の小矢部・本行寺

2019/01/06 01:51

 小矢部開発の祖・前田利秀の菩提(ぼだい)寺で知られる日蓮(にちれん)宗本行寺(ほんぎょうじ)(小矢部市八和町)の庫(く)裏(り)が2020年、再建される。04年10月の台風による倒壊以降、本堂は修復されたが、庫裏は資金難で手を付けられず、16年ぶりの復活となる。庫裏がないことから法事の食事の場所に不自由し、寺の役割を十分に果たせていなかった。山門の復興も検討されており、前田家ゆかりの寺の再興が本格化する。

 

 04年10月の台風では、本行寺近くにある愛宕(あたご)神社のスギ十数本が倒れ、本堂の一部や庫裏が壊れた。本堂前にあった樹齢800年のご神木「天狗(てんぐ)さんの木」も根元から折れ、山門を押し倒した。

 

 寺の再建は、08年3月に住職に就いた櫻栄優一さん(38)が中心となって計画し、同年11月に本堂や台所などを約3500万円かけて修復した。資金は日蓮宗宗務院(東京)や愛宕神社の義援金、檀家(だんか)の寄付を使った。

 

 この時、庫裏も整備する予定だったが、檀家の負担を考え、5年後の13年に延期した。資金は約3500万円を目標に09年1月から当時約30の檀家に寄付を求めて積み立てたものの、目標に届かなかった。整備の年をさらに5年後の18年に再設定し、檀家は約70に増えたが、積立金は約600万円にとどまった。

 

 現在、庫裏のない寺では法事の際、僧侶の着替えや出席者の食事を本堂の一角で済まさなければならず、檀家が悩みを相談する場の確保も難しい。

 

 庫裏の再建は、昨年11月中旬に開かれた本行寺護持会の総会席上、櫻栄住職が自ら多額の寄付をする旨を伝えた上で、檀家にあらためて協力を求めた。日連上人の生誕800年を迎える21年3月にお披露目するため、20年中の完成を目指して可能な限り積立金を上積みし、寄付を募るという。

 

 櫻栄住職は「庫裏再建を通じて、檀家と小矢部の歴史を共有する契機にしたい」と話した。