遊歩道が封鎖された常虹の滝の様子を確認する守る会メンバー=富山市猪谷

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常虹の滝にぎわい再び 富山・猪谷 地元住民が「守る会」

2020/04/07 02:22

 かつて「七色の帯」と呼ばれ、多くの観光客が訪れた富山市猪谷の景勝地「常(とこ)虹(にじ)の滝」を蘇らせようと、地元住民ら約20人が「常虹の滝を守る会」を立ち上げた。2014年まで滝近くで行われていた名物の流しそうめん終了を機に訪れる人が減り、6年の間に起きた土砂崩れや倒木で遊歩道が通行できなくなっていた。守る会は、滝周辺の遊歩道の手入れを進め、地域の名所復活を目指す。

 

 国道41号から猪谷川沿いに約500メートル登った場所にある常虹の滝は、高さ35メートル、幅7メートルの蛇歯見(じゃばみ)の滝をはじめ夫婦滝、不動滝など複数の滝の総称。大正から昭和初期に活躍した県選出の高見之通衆院議員が滝の裾に鮮やかに映える虹を見て「常虹の滝なり」と感嘆したことから名付けられた。

 

 旧細入村最大の瀑布として富山の滝三十七選に名を連ね、古くは村人の信仰の対象にもなっていた。

 

 1970年代から、地元の食堂「早瀬亭」が毎年5月から8月にかけて滝がよく見える場所で流しそうめんを提供し名物となった。地元商店会「猪谷商盛会」も加わり周辺を整備していたが、2014年に早瀬亭が閉店。手入れする人がいなくなり、遊歩道の荒廃が進んだ。

 

 現在は、滝つぼに続く道が封鎖され、観光客はほとんどいなくなっており、「宝の持ち腐れ」を嘆く住民らが集まり、3月10日に守る会を設立。自らの手で再生し、にぎわいを取り戻すことを決めた。

 

 守る会では、滝周辺を中心に、土砂崩れや倒木、落石で通行できない遊歩道を再び歩けるようにする。今月下旬から活動し、倒木の撤去から作業を始める。その後、遊歩道を整備し、将来的には、水と触れ合える場所の確保や、名物であった流しそうめんの復活を目指す。山下信市会長(65)は「地域の財産として保全に取り組み、次の世代に残していきたい」と話した。