練習再開に備え、打撃用ネットの状態を確認する河井監督=水橋高

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「水橋の名、刻みたい」 高校野球、最後の単独出場

2020/05/17 00:52

 高校再編による学校統合で、2022年4月に校名が消える水橋高で、同校1期生で野球部OBの河井悟監督(52)が、単独出場最後となる今夏の富山大会開催を切望している。新型コロナウイルスの影響により、夏の甲子園は中止の方向性で検討されており、富山大会の通常開催も不透明な状況だ。河井監督は「最後に水橋の名前を刻みたい」と有終の美を飾る舞台が整うことを願っている。

 

 水橋高は今年度から新入生の募集が停止された。部員は現在3年生は10人いるが、2年生は2人にとどまり、来年は合同チームを組んで試合に出場することになるという。

 

 部活動が中止となっている中、河井監督は、練習再開に備えてグラウンドを訪れ、設備に異常がないか確認している。今夏、チームの目標は、ベスト4だった昨年を超える決勝進出で「選手には自分も見たことがない、新しい景色を見てもらいたいのだけど」と複雑な心境をのぞかせる。

 

 河井監督は1983(昭和58)年の創立時に入学し、3年時にはエースとして夏の富山大会8強進出に貢献した。日体大から地元企業に就職後も母校を強くしたいという思いからノッカーや打撃投手などを務め、後輩を指導してきた。熱心さが学校側からも認められ、4年前、正式に外部コーチに就任した。

 

 昨年6月、監督だった森元重光さん(61)=現部長=が体調を崩した。定年も控え、「統合を控えたチームをまとめるのは河井君しかいない」と就任を打診され、快諾した。河井監督にとって公式戦初采配となった昨夏の富山大会は学校史上初の4強に進出し、生徒とうれし涙を流した。

 

 昨秋の県大会は夏の王者高岡商に3回戦で敗れた。しかしその後の練習試合では高岡商にリベンジを果たした。相手は2年生のみの出場だったものの、河井監督は「高商に勝ったのは創部以来初めて」と手応えを感じていた。一冬越えてさらに力を付け、球春を心待ちにしていたところ、新型コロナが猛威を振るい始めた。部活動は休止となり、3月から練習はほとんどできなくなった。

 

 今は大会の開催を信じて部員と無料通信アプリLINE(ライン)で連絡を取り、助言を送る。生徒は元気に自主練習に励んでおり、「自主性を意識するよう教えてきた成果が出ているかな」と笑顔を見せる。

 

 河井監督は「今年は本当に頑張りたくて。無観客でもいい。生徒たちに最後の舞台を用意してほしい」と願っている。

 

 県高野連によると、高岡と統合する高岡西も今夏が最後の単独出場となる。